― 心が満たされる暮らしへ、家族で選んだ再出発 ―
Nourrirは、「心を豊かに育てる場所」。
でもそれは、最初から見えていたわけではありません。
たくさんの迷いと、見えない空虚を抱えながらたどり着いた、私たち家族の再出発の物語です。

かつて私たち夫婦は、安定した公務員として、都会で暮らしていました。
経済的な安心、社会的な立場、便利な暮らし。
けれど、どこか満たされない気持ちが、いつも心の奥にありました。
旅行に出かけても、欲しいものを手に入れても、それは一瞬の満足に過ぎず、すぐに静かな虚しさが押し寄せてきたのです。
「これで本当に、幸せって言えるのかな?」
そう自分に問いかけながら、“理想の暮らし”を探す日々が始まりました。
まず思い浮かんだのは、「家を建てること」。
マイホームがあれば、何かが変わるような気がして、土地を探し、モデルハウスを見学し、10年近く探し続けました。
けれど、駅近・便利・高性能…と、条件ばかりを追いかけるうちに、本当に望んでいるものが、わからなくなっていったのです。
家を建てたいのか、安心がほしいのか、夫婦関係を立て直したいのか。



その迷いに、静かに光を当ててくれたのが、コロナ禍でした。
狭いアパートの小さなベランダで、家族でご飯を食べた日。
風が気持ちよくて、家族の笑顔があって。
その時間が、言葉にならないほど心地よくて、ふと思ったんです。
「これが、わたしたちの“豊かさ”かもしれない」と。
それは“所有する幸せ”ではなく、“感じあえる幸せ”でした。
そこから、夫婦でたくさん話し合いました。
価値観の違い、家族の未来、心のすれ違い。
そしてようやく見えてきたのです。
本当にほしかったのは、便利さでも、広さでも、見栄でもなく、心がやすらぐ暮らしと、ちゃんと向き合える関係だったということに。
たどり着いたのは、長野の山あいの小さな村。
初めて訪れたその地で「ここだ」と直感し、半年で移住を決断。2か月で土地と出会い、小さな家とサロンを建てました。
昔夢見た高性能住宅とは真逆の、小さくて、でも、心が大きく広がる家。
今はその庭に、人が集い、笑い声が響き、あの頃にはなかった“満たされた空気”が流れています。
Nourrirは、そんな暮らしの中から生まれたサロンです。
「幸せになるために家を建てる」のではなく、“心の土台を整えることで、暮らしは変わる”
その実感が、今の活動すべてにつながっています。
もし今、あなたが「何かが違う気がする」と感じているのなら、それは、心の奥の「本当の声」かもしれません。
家を買うことも、移住することも、目的ではありません。
大切なのは、“どう生きたいか”を自分に問うこと。
そしてその声を、丁寧にすくい上げていくこと。
あなたの心が、本当に満たされる場所に出会えますように。
そんな願いを込めて、今日もここでお待ちしています。
心から、つながる。
Nourrir - for your inner child, and your family.