Nourrirが生まれるまでの軌跡
感情を育てるという考え方にたどり着くまで

Nourrirが大切にしている
「感情を育てる」という考え方は、
机の上だけで生まれたものではありません。
私自身が、
妊娠、出産、子育て、夫婦関係、親子関係の中で、
自分の感情が大きく揺れる経験をしてきました。
その中で何度も感じたのは、
人は、目の前の出来事だけで苦しくなるのではない、ということです。
今起きている出来事に、
過去の記憶や思い込み、
幼い頃から身につけてきた我慢や役割が重なったとき、
心は自分でも驚くほど大きく反応することがあります。
Nourrirのメンタルケアは、
その実感から始まりました。
出産と育児の中で見えてきたもの
結婚して半年後、私たちのもとに赤ちゃんがやってきました。
母になる喜びがある一方で、
妊娠中から、私は自分の心が大きく揺れ動くことに戸惑っていました。
身体は順調でした。
けれど心の中には、
これまで感じたことのない不安や孤独がありました。
出産も、私にとっては想像以上に大きな経験でした。
命を迎える喜びと同時に、
「本当は支えてほしかった」
「本当は分かってほしかった」
という気持ちが、心の奥に残りました。
産後は、身体の回復、授乳、睡眠不足、育児の責任。
さまざまなことが一度に押し寄せてきました。
「母親なのだから、ちゃんとしなければ」
「もっと頑張ればできるはず」
「できない私は、母親として足りないのではないか」
そんな思い込みが、
気づかないうちに自分を追い詰めていたのだと思います。
今振り返ると、
あの頃の私は、ただ弱かったのではありません。
大きな変化の中で、
心と身体が必死にバランスを取ろうとしていたのだと思います。
夫婦関係のすれ違いが教えてくれたこと
出産をきっかけに、夫婦関係も大きく揺れました。
本当は、寄り添ってほしかった。
正論ではなく、気持ちを分かってほしかった。
一緒に育児をしているという安心感がほしかった。
けれど、その思いをうまく言葉にできないまま、
心の距離は少しずつ離れていきました。
同じ家にいるのに、心は遠い。
一番近くにいるはずの人に、孤独を感じる。
その苦しさの中で、私は長い間、
「相手が分かってくれないから苦しい」
と思っていました。
もちろん、関係性の中で起きる問題は、
一人だけの責任ではありません。
けれど心理学を学ぶ中で、
私は少しずつ別の視点を持つようになりました。
夫婦関係の苦しさの奥には、
今の相手への不満だけではなく、
自分の中に残っていた過去の寂しさや、
「大切なときに支えてもらえない」という思い込みが
重なっていることがあるのだと気づいたのです。
目の前の出来事だけを見ていると、
相手を責めるか、自分を責めるかの二択になってしまう。
でも、その奥にある感情を見つめると、
「私は、本当は何に傷ついていたのか」
「何を分かってほしかったのか」
「これから、どんな関わり方を選びたいのか」
が少しずつ見えてきます。
子育ての中で出会った、自分の感情
子育ての中でも、私は自分の感情と向き合うことになりました。
子どもを大切に思っているのに、
思うようにやさしくできない。
小さなことでイライラしてしまう。
あとから自己嫌悪になる。
そんな自分を、何度も責めました。
けれど、感情を学ぶ中で分かってきたのは、
怒りやイライラは、ただ悪いものではないということです。
その奥には、
疲れ、孤独、不安、悲しさ、
「分かってほしかった」という気持ちが
隠れていることがあります。
感情は、消すものではありません。
抑え込んでなかったことにするものでもありません。
感情は、気づき、受け止め、育てていくものです。
自分の中にある怒りや悲しみを、
悪いものとして閉じ込めるのではなく、
「何を知らせてくれているのだろう」
と見つめるようになったとき、
少しずつ自分へのまなざしが変わっていきました。
心理学との出会い
心理学を学ぶ中で、
私は自分の中に、まだ小さな頃の気持ちが残っていることに気づきました。
ずっと我慢していた気持ち。
本当は助けてほしかった気持ち。
分かってほしかった気持ち。
安心したかった気持ち。
それらは、大人になった今の私の中にも、
静かに残っていました。
そして、夫婦関係や子育ての中で、
何かをきっかけに顔を出していたのです。
それに気づいたとき、
私は自分を責めるだけではなく、
自分を理解するという選択ができるようになりました。
「そうだったんだね」
「苦しかったんだね」
「本当は、そう感じていたんだね」
そうやって自分の感情に言葉を与えていくことは、
自分の心を育て直すような時間でした。
感情を育てるということ
感情を育てるとは、
いつも穏やかでいることではありません。
怒らない人になることでも、
傷つかない人になることでもありません。
感情が揺れたときに、
自分を責めるだけで終わらせず、
その奥にある本当の気持ちに気づけるようになること。
相手のせいにするだけでもなく、
自分が悪いと抱え込むだけでもなく、
「私は何に反応しているのか」
「本当は何を大切にしたかったのか」
を見つめられるようになること。
それが、感情を育てるということだと私は考えています。
心は、正しさだけでは育ちません。
厳しさだけでも、安心できません。
必要なのは、
自分の感情を否定しないこと。
理由を知ること。
そして、これからの選び方を少しずつ育てていくことです。
Nourrirが届けたいこと
Nourrirは、
私自身の経験をそのまま誰かに重ねる場所ではありません。
「私も苦しかったから、あなたも同じです」と言いたいのではなく、
苦しさの奥には、その人だけの理由があることを、
私は自分の人生を通して学びました。
だからこそ、Nourrirでは、
目の前の悩みだけを見るのではなく、
その奥にある感情、思い込み、関係性のパターンを丁寧に見つめていきます。
自分を責めるためではなく、
相手を責めるためでもなく、
自分の心を理解し、
本来の力を取り戻していくために。
人は、壊れているのではなく、
本来の力を出せない状態に置かれているだけかもしれません。
自分の感情とつながり直したとき、
人は、自分の人生をもう一度動かし始めます。
今、苦しさの中にいるあなたへ
もし今、
誰にも言えない痛みを抱えているなら。
うまくいかない自分を責めているなら。
同じことで何度も悩んでいるなら。
自分の気持ちが分からなくなっているなら。
それは、あなたが弱いからではないかもしれません。
あなたの心が、
「本当は分かってほしい」
「本当は安心したい」
「もう一人で抱え込みたくない」
と、知らせてくれているのかもしれません。
その声を、無理に消さなくて大丈夫です。
すぐに答えを出そうとしなくても大丈夫です。
まずは、
「私は今、何を感じているのだろう」
と、自分の心に目を向けることから始めてみてください。
あなたの痛みには、理由があります。
あなたの迷いにも、背景があります。
そしてあなたの中には、
これからの関わり方や生き方を選び直していく力があります。
Nourrirは、
その力を一緒に見つけ、育てていく場所です。